右脳系エンジニアのブログ

エンジニアとしての生き方のプロトタイピング、新しい社会のプロトタイプづくりをしています。

東北に行ってきて感じた、これからの未来とその課題

11日まで石巻を中心に被災地周辺地域※にいってきました。

目的は明確にあったわけではないですが、この旅を通して被災地の問題を理解したり、刺激になるような話が聞ければいいなと思っていました。

主にRace for Resilienceというハッカソンのイベントに参加していて、その後に少し他の地域も回る、という形でした。実際に被害が大きかった地域を回る、ということは出来ませんでしたが、そういう地域にいた方やその中で復興しようと活動している方とお話させていただくことが出来たので、非常に有意義だったなと思っています。

その結果、個人的には被災地ってめちゃくちゃアツいんじゃないかって思うようになりました。 今回は被災地が目指していかないといけないと僕が考えたイメージの話と、それが出来る理由があるよって話になります。

*1

産業構造に着目した変革が必要だけど、現状の政策はギャップがある?

この話は、南相馬の職員の但野さんに教えてもらったのですが、南相馬の産業別の生産高をみると、1次産業はたったの数%しかなく、2次産業も1/3で、2/3は三次産業が占めているそうです。

そこに持続可能な雇用を生み出す上では、1次産業でも海外にどんどん流出している2次産業でもなく、3次産業にこそ力をいれないといけないのでは?ということです。

ただし、現状の政策は1次産業や2次産業に着目しており、ややギャップを感じているともおっしゃっていました。

そのためには教育や訓練がキーになる

そのためには、おそらく教育がキーになっていきます。外部から何かを誘致することで一時的に雇用を創出することは出来ますが、その人達の子供がちゃんとした教育を受けるために、また都市に流れていくことになってしまいます。

継続した産業の創出のためには、教育の水準を高め、できればその教育を受けた彼らによって雇用が発生するという状況を作り出す必要が、どうしてもあるはずです。

そういう意味で、状況はポジティブに捉えられる

優秀な人材がそこに積極的に集まる理由がある

今回のRace for resilienceもそうですが、被災地にはエンジニアを始め、新しい産業の就業者が集まる理由があります。「国難」に対し、復興のために活動する理由がこの国の人にはあります。そして、国難と呼ばれる規模の災害に対して大きな問題意識を感じて参画してくれる外国の方もいます。

これは見方を変えると凄く大きなアドバンテージです。

たとえば日本では地方はどこもかしこも限界集落やその予備軍として、消滅の危機にさらされています。しかし、そこにはその地域に愛着がある人や、限界集落について問題意識を感じている人が参画する理由はあっても、多くの日本国内の方も、外国の方も基本的に参画する理由がないのです。もちろんゼロではないですが、被災地に参画してくれる人の数からすると絶対的に少ないはずです。

たとえばこれらのエンジニアが集まって、若い人たちに最高レベルのIT教育を施せばどうなるでしょう?ものすごいことが起きそうな気がします。

人が少ない=少ない予算でトライアルできる

現状の子供の人数が減ってしまっているというのも、考えようによっては少ない予算でトライアルを出来るということです。

たとえば南相馬の0歳時は300人ほどしかいないそうです。 この300人全員に新しい教育を施すことは、それほど難しいことではないし、仮に実現すればものすごいインパクトになります。

ただ、これが東京だとどうでしょう?ものすごいたくさんの子供が居る中に、300人の子供に教育を施しても、外部的なインパクトやその10年後の産業に与えるインパクトはものすごい小さいです。

一番いいのはそういう地域がたくさん出て協創していけるのがいいなって。

個人的には、いろんな地域で地域を再生しようとか、復興しようとか、興そうとかいっているわけで、そういう地域で頑張っている方もたくさん知っています。

そういうトライアルって色んな所でできたらいいと思っていて、エンジニアにはいろんな選択肢があって、お魚のおいしいところ、とか、空気がいいところとか、そういうのを選択の基準の一つとして選んでもらえるようになっていけばいいと思っています。

そのためには、競争してつぶしあうのではなく、協創して高め合うようなしくみができたらいいなって思います。ちょっと具体的なイメージがまだわからないんですが、なんかそういう報告に動けたら面白いなって。

シリコンバレーを目指すのではなく、日本発の新しいスタイルを低減したいなとか云々。

*1:被災地、という表現は過去を引きずりすぎている気もするし、かと言って復興地域というとまだ復興がはじまってすらいないよ!思う方も居ると思います。 ただし、東北全体のことを指すわけではないことを示すため、便宜上今回は「被災地」という表現を使わせてください。これ以外に最適な表現があれば教えて下さい