右脳系エンジニアのブログ

エンジニアとしての生き方のプロトタイピング、新しい社会のプロトタイプづくりをしています。

「被災地支援」が本当に支援になってるかは常に意識しておいたほうがいいよ

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この3ヶ月南相馬市に移り住んで仕事をさせていただく中で、 被災地支援、被災地支援って聞くけど全然支援してねーじゃねーかって思うことがちょいちょいあった。 善意、悪意とわず、被災地支援という名目が実態を伴ってないことがあるよということで、周りの人に知ってもらいたいなと思って書き留めておく。

ちなみに私、現地の人じゃないからもー好き勝手書くよ。

※ここ1ヶ月くらいでこういう案件を落ち着かせる仕事ばっかりで、割と私の心と腰が折れそうだった。 絶対に今ようやく起こった火を絶やしてはいけないという思いで、なんとか処理中。。。

先に概ね結論

これを見てから、自分のやっていることを考えたほうがいいです。

まず第一にただの自己満足な支援

大学生とかで陥りがちなのが、現地の誰も求めてない系支援。 いや、実際にはあったらいいなではあるんだけど、別にそんなの今必要じゃないし。

わかりやすいハイエナ

このへんはまだカワイイ。わかりやすーく被災地に集まるお金をかすめとっていこうっていう輩。 心配しなくても二度とお付き合いしないタイプ。

事業の継続とか度外視な支援

たとえば、1000円は払いたくないけど、無料なら参加しようかな、とかなるような内容がこういうのだと思う。

自分がやりたいようにやって、最初のうちはボランティアでいいんだけど、じゃあこれがいつまでやれるのってなると、お金がなくなったらはい終わり。

気づいたら、被災地には何も残っていないタイプ。

支援という名のハゲタカ

現地の方が草の根で立ち上げたよーというのを、自分たちがもっと高度にしてあげるよー、もっと大きくしてあげるよーというタイプ。

俗にいう「中間支援団体」とか結構な規模のある株式会社に多い。

自分たちの専門性(というのもハッキリいって怪しいことも多いけど)を振りかざして、現地の方が一生懸命やってやっと芽が生えてきた処を食い散らかしていき、現地の人のモチベーションを下げ、心を折る割と悪質な支援。

プロボノ支援で案件が停滞

善意が起こす中では両者がすり減って行くという意味で誰も幸せにならない度が一番高い。

こちらにいると本当に復興のために自分の技能を活かして支援したいという方も多いなと感じることも多くて、そういう方の中では、プロボノ支援として無償で人的リソースを提供してくださる方もいらっしゃる。

こういった支援のあり方は、支援してもらう側は高い技能をもった方の人的資源を活用することができ、する側は自分の技能を活かして支援に役立たせることができる、という意味で凄くWin-Winじゃないかという風にみえるが、結構危険。

こいつの問題は支援する側は「無料で出来る範囲のことしかしない」ということ。 これは単純に時間量に制限があるということではなく、「自分の仕事が空いている時にしか出来ない」ということでもあるわけで。

そうすると何が起きるか。被災地の事業の締め切りと、自分の生活のための仕事の締め切りとがあった場合、後者が優先されるということ。つまりは後者が優先されている間、被災地の事業は完全にストップしてしまうということ。高度な技能であるが故に被災地の中では代替がきかず、コンティンジェンシープランさえ用意できないという場合が多い。

イベント系とかだと、ぎりぎりまでプロボノさんが動かなくて死亡するパターンが過去に結構あったんじゃないかと想像するに容易い。

ケツをもたない支援 = 被災地で頑張っている人たちの信用さえ失わせかねない

やれ手伝いました。あとは自分たちでがんばってね型支援。

たとえばどこどこからウン万円の案件をとってきました。とってきたからあとは頑張ってね。とかそいういうの。

現場には人的リソースが足りてません。実務能力が高い人が根本的に足りません。

そういう中、自走させるメドも立たずに、とってきたからほらやりなさい、というのは最悪です。 結局プロジェクトが崩壊したときに、信用を失うのは「被災地で頑張っている人たち」です。

仕事をとってきた人は、実はほとんど実害を被らないことがほとんどなんじゃないのかな。

自分たちが支援します。じゃなくて支援してくれる人探してとってきたからがんばってね、っていうところでたちが悪い。たぶん私が一番嫌いなタイプ。

陥らないために

被災地に何が足りてないかをもっと自分の目で見極めよう。

見極められないうちは、現地の人がこれやって!というのをそのままやりましょう。

だから本質的には「人を助けたい? なら 黙って話を聞け!」です。

支援なんてそんな簡単なもんじゃねぇって、私は思うよ。