右脳系エンジニアのブログ

エンジニアとしての生き方のプロトタイピング、新しい社会のプロトタイプづくりをしています。

福島とか放射能とか、最近あんまり県外の人には情報がアップデートされてないように思うので私的見解を整理しておく

コンビニのお米からセシウム137検出。日本だけは報道されない「日本の恐ろしい現実」。トリチウム入り高濃度放射能汚染水を海に捨てる日本の実態とは。

こういう記事が流れてきたのですが、最近はあまりこういう関連情報福島外の人にアップデートされていないと感じるところがあるので、原発を視察した上で知っていることや見解について示しておきます。こちらの詳しい情報発信については一般社団法人AFWさんの情報をキャッチアップすると良いと思います。(http://a-f-w.org/福島原発って廃炉で何しとんねんっていうのが気になる人はhttp://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/pdf/hairo2017_01.pdf 読むと良いと思います。

福島が~とかではなく、みんな冷静に身の回りの生活確かめような、という気持ちです。農薬とかについては個人的に最近ちょっと気になってるけどキャッチアップしてないんで知らんので詳しい人は教えてという感じ。

0) 前提として把握しておいてほしいこと 1) "汚染水"放出について 2) 内部被曝について 3) 甲状腺がんについて 4) そもそも"毒"?

前提として把握しておいてほしいこと

  • 放射性物質は自然界にもあって、何もなくても被曝していること。
  • その量は場所によって違う。日本だと0.05μSVhくらいがおおいけど、北欧いくと0.7μSVhくらいあるところもあるそうです。ちなみに今私は住んでいるところは0.15μSVくらいで、もう少し南に行くと桁が1つあがります。0.22μSV(だっけ)が年間1mSVの被ばくの目安と言われていて、避難解除も概ねそのくらいを目安に実施されているはず
  • どうしても「放射能は少量でもDNAに直接作用して非可逆な破壊を起こす」という怖さが強いけど、人間には修復機能がある。これを上回るとエラーを修復できなくなる。これがないと生きてるだけでDNAエラーで絶滅する。なので、ゼロをやみくもに信仰するのではなく、量とリスクを天秤にかけるべきこと。これは放射性物質以外でも同じ。塩とアルコールならできるのに被ばくでできないのはなぜ。(え?できてないって?)
  • 人体への悪影響があるものは被ばくだけではない。他のリスク(この記事でもあがってるけど農薬とかね)とのバランスも勘案して自分が良いと思った判断をしてほしい。

"汚染水"放出について

まずそもそもこの"汚染水"とされているものが何かと言うと、まず、原子炉を冷やす冷却水というのがあります。原発は熱を持ってるので冷やさないといけない。これだけならいいのですが、原子炉の地下には地下水が流れてるのですが、原子炉に少しひびがはいっており、そのために地下水もまざってきちゃう。それが海に流れ出ちゃまずいよねということで、ポンプで汲み上げてるですが、それが毎日400トンくらいあるという状況です。この地下水を止めようというのが凍土壁。

実際の汚染度はそこまで高くなくて、さらに取り除けるのはのぞいているんだけど、トリチウムだけはたしかうまく取り除けないとかで少し残ってしまう。この水ですが、1日に400トンもあるのですごい量です。原発敷地内にタンクを延々と作り続けてる状態は、経済的にもあまり良くない。というわけで海洋放出したいというのが政府と東電のスタンス。

これについて、私は一定の理解を示しつつ、「十分薄まるからOK」みたいな安易な発言しちゃうとこや姿勢については、生物濃縮のリスクを十分確認できてないことや、漁業関係者の不安払拭という視点から問題があるのではと視察の際には指摘しました(ま、あまり反映されないでしょうけど)。

政府のいう「既定値の500分の1」というデータにそれほど嘘はないと思います。これを放出することにどの程度のリスクがあるかというのは、他のデータ等を踏まえた上で判断すべきこととかんがえています。一番重要な軸は「魚とか食べて大丈夫なん?」という話=内部被ばくのことかと思うのでつはその点について

内部被曝について

内部被ばくってなにかっていうと、要は呼吸とか食事とかで体内に取り込んでしまった放射性物質から被曝しちゃうことです。これについては150-300日程度で99%が体外に排出されることがわかっています。

そういう意味で、科学的には「一度に大量の放射性物質を取り込んで被ばくしない限りは、影響はないか、誤差の範囲」という意見が主流で、私もこの意見を支持しています。 知った上で「やっぱなんか怖いからやめとく」は良いと思います。

でもでもだって、実際奇形とか甲状腺がんとか実害あるって話きくやん・・・みたいな話が次

甲状腺がんとか実際のリスク

甲状腺がんについては、「絶対数で見るのは無意味」というスタンスです。福島についてはスクリーニング(かたっぱしから影響ないかしらべていく)検査をするため、診察に来た人だけ見る平時とは検出される数が絶対的に異なること、甲状腺がんは見つかったからと言ってすぐにやばい性質のものじゃない(この辺はくわしくない)経過観察をすべきものなので検出=死のリスクが高まったじゃないか!ということでもないので。

スクリーニング検査でみつかった数も韓国等でスクリーニング検査を行ったときと同程度しか出てない、ということなのでそれほど影響はないんやろな・・・とは思いつつ、「影響はゼロでした!」というのもそれはそれで違うかなとは思ってるのが現状。これについては経過を見守るべきかな、というのが私の見解

奇形ですが、帰還困難区域の調査で奇形の動物が普通よりおおくみつかった、みたいな研究報告もあるようです。ちょっとバカみたいな記事が増えたせいで見つかりませんが。。。人間の奇形等については優位な統計は得られてないと思われます(あったら教えて)

鼻血でた?皮膚とか粘膜に被ばくの影響出てたらすぐ死んどるわ。

そもそも"毒"ってなんぞや?

こうやって勘案していくと、総合的には「リスクとしてはあってもかなり小さめ」という意見で、実際に1.5倍とか3倍とかで有害性が示されてるタバコとかPM10とか2.5とか・・・のほうが個人的にはどうかんがえてもやばいやろ、という気持ち。

あと、東京の通勤とかストレスマッハすぎてやばいなとか。

何が言いたいかって言うと、いろんな体に悪い物質を取り込んだり、もっと摂取すべき物質を取り込んでなかったり、運動不足だったり、上司が糞すぎてストレスではげそうだったり、そういういろんな「体に及ぼす影響」があるわけで、気にかけるところはそういう中で「自分が一番幸せだって思える」選択しようなってことです。

その意味で、やたらに不安を煽って「ストレス要因をやみくもに増やす」ような情報発信についてはその時点で懐疑的ですし、正しい情報だとしてもこのようなやり口で広めようという手法にはまったく賛同できません。

まとめ

「僕は自分のやるべきと思ったことをする」が一番の選択なので、南相馬におりますゆえ。

でもそれは「楽しいよ!」と宣伝はするけど、強要すべきものでもないし、各自が判断したらええこと。

大事なのは「ちゃんと自分で判断すること」だと思いますんや。